宮澤良平
視力測定にかかる時間
「視力1.0」等の視力の数値を測るだけの視力測定は数分で測定結果が出ますが、メガネの度数を調べるための視力測定は、ある程度時間を掛けなければ、適切な度数はわかりません。
基本的に、測定時間は30分前後くらいで、1時間以上かかる場合もあります。
当店では、快適な見え心地の提供のために、細かく精密な測定を心掛けています。
お時間に余裕を持ってご来店下さい。
度数測定の所要時間
度数測定の基本的な工程を細分化すると下記のようになります。
・聞き取り 5~10分程度
・機器での測定 数分
・基本の測定 20~30分程度
・加入度測定 +5~10分程度
・プリズム測定 +5~10分程度
・テストフレーム体験 5~10分程度
・累進レンズタイプ選び +5~10分程度
※+表記は基本的に該当の方のみに行います。
各工程の順番が前後する場合もあります。
以上の内容を合計すると30~80分程度になりますが、様々な要素で変化し、ばらつきがあります。
時間がかかる要素としては
・度数測定または、精密な度数測定が初めて
・プリズム測定が初めて
・累進レンズが初めて
・前回測定してからの期間があいている
・度数が大きく変化している
・睡眠不足
・疲労状態
・視力がでにくい
等の場合が挙げられます。
「眼鏡作製技能士」の実技試験の制限時間
国家検定資格「眼鏡作製技能士」の実技試験の「視力の測定」の制限時間は【1級、2級ともに30分】です。
試験内容は、測定内容を理解している方に行い、聞き取りと、基本の測定を行います。
受験者の多くは20分前後はかかっていると思います。
私が受験したほぼ同条件の旧資格の「認定眼鏡士」の実技試験では、眼鏡学校の生徒さんに測定を行い、25分程度はかかった記憶があります。
各工程の詳細
・聞き取り 5~10分程度
自動車等の運転の頻度やパソコン、スマートフォンの使用頻度、お仕事、ご趣味、どのような場面で不便を感じているか、眼科の受診歴等、現在の眼の生活の聞き取りを行います。
また、現在使用しているメガネがある場合は、そのメガネの度数を測定し、使い心地等をお聞きします。
快適なメガネの生活のためには、一人一人のライフスタイルに合わせた度数の調整や、レンズの種類を選択する必要があります。
・機器での測定 数分
機器(オートレフラクトメーター)では、短時間で度数が測定できますが、測定した数値をそのままメガネに採用しても、ほとんどの場合で快適にお使いできません。
機器での測定結果は、後に行う基本の測定で参考にします。
オートレフラクトメーター
・基本の測定 20~30分程度
「裸眼や使用しているメガネでの視力」、「瞳孔間距離(PD)」、「利き目」、「眼の動き」、「近視、遠視、乱視、乱視軸」、「左右のバランス」、「プリズムの有無(カバー・アンカバーテスト)」、「最良度数(完全矯正値)」、「最良度数での視力」等の測定を行います。
眼の状態を見て、追加の聞き取りも合わせて行います。
視力表チャート一覧
・加入度測定 +5~10分程度
お手元用メガネ(老眼鏡)や、遠近両用メガネ、中近両用メガネ等の場合は、近くを見るための度数(加入度)を測定します。
加入度はお好みの距離、眼の状態(調節力)、眼鏡の使用環境、使用履歴等によって加減をする必要があります。
・プリズム測定 +5~10分程度
左右の眼で見ている対象の位置がずれる「斜視」や「斜位」がある方は、レンズにプリズム成分を入れることで、二重に見えるのが緩和したり、眼精疲労の軽減になる場合があります。
特殊なレンズ(偏光レンズ)を通して左右で別々のものが見える状態で、特殊な指標(偏光視標)を見る測定等を行います。
当店では、全体の30%程度の方にプリズムレンズを使用しています。
※基本的に全てのレンズでオプションでプリズムが付けられます。
・テストフレーム体験 5~10分程度
測定した度数のレンズを入れたテストフレームを用いて、遠くの景色や手元の文字の見え方と、普段使いのメガネの場合は、実際に歩いていただき、最終的な各数値の調整をします。
また、最終的に採用した度数の視力の測定もします。
累進レンズの場合、視線や首の使い方のコツなどもお教えします。
テストフレーム
・累進レンズタイプ選び +5~10分程度
遠近両用レンズや中近両用レンズの場合、タイプによって見え方が異なります。
お聴き取りした内容を踏まえて、数種類のテストレンズを体験して頂き、レンズのタイプをお選びいただきます。
まとめ
Comments