宮澤良平
逆効果? サングラスの紫外線カットの注意点
本日は夏の日差しの強い時期に大活躍するサングラスでの紫外線カットの注意点について紹介します。
レンズカラーの濃さと紫外線カット性能は関係ありません
濃いカラーレンズのサングラスは紫外線を沢山カットできそうな気がしますが、紫外線は眼に見えない光なので色の濃さとは関係なく、無色のレンズでもカットすることができます。
一部の雑貨品のメガネを除き、メガネ店で販売しているほぼ全てのメガネレンズに紫外線カット機能は標準装備されています。
濃いサングラスは逆効果?
レンズカラーの濃いサングラスは、視界が暗くなり瞳孔が開くことで、無色のレンズに比べて眼の中に紫外線が入りやすくなります。
特に、一部の雑貨店で販売しているサングラスには紫外線カット性能が低かったり、なかったりする場合もあるので注意が必要です。
また、調整(フィティング)が適切にされていない場合は、隙間から眼に紫外線が入りやすくなる場合もあります。
視力の低下に注意
濃いカラーレンズを使用したサングラスは、夜間や暗いところで使用すると視力が低下するので危険です。
特に、ご高齢の方は、水晶体の黄ばみやにごりがでたり、瞳孔が開きにくくくなったり、神経線維の減少などにより、サングラスによる視力の低下が顕著になります。
使用環境の明るさに合わせた適度な濃さのカラーがおすすめです。
また、一定上の濃さの場合、夜間や暗いところだけでなく、昼間の使用でもおすすめできません。
使用禁止条件
日本産業規格(JIS)では危険性がある為、一定以上のレンズカラーの濃いサングラスの使用を夜間だけでなく昼間でも禁止しています。
基本的に罰則などはないと思いますが、サングラスを使用して運転中等に事故を起こすと、「安全運転義務違反」に問われる可能性があります。
日本産業規格(JIS)
JIS T7333(2018年10月に路上での使用にも適応するように改正)
1. 視感透過率8%以下(濃度92%以上)のレンズ:運転用または路上での使用の禁止
2. 視感透過率75%未満(濃度25%以上)のレンズ:薄暮または夜間時における運転用または路上での使用の禁止
実際に販売しているカラーレンズを参考に説明すると、上記のカラーの濃度85%よりもさらに濃い、濃度92%以上の場合は車の運転、屋外での使用自体が禁止されています。
上記のカラーの濃度25%グラデーションよりもさらに濃い、濃度25%以上の場合は夜間の車の運転、屋外の使用が禁止されています。
※グラデーションとは下部に向かって色が薄くなるカラーのことです。
正しいサングラス選び
メガネ店以外で購入する場合には、タグなどに記載している「紫外線カット率99%」や「UV400」、「紫外線透過率1%」の表記や日本産業規格(JIS)に違反しない「可視光線透過率(視感透過率)〇〇%」の表記を確認する事をおすすめします。
使用環境に合った濃さのレンズが入ったサングラスをお選びください。
また、すぐにずり下がったり、隙間が空きすぎていないかも確認する必要もあります。
眼病に注意
カラーが濃いサングラスを使用し、通常時よりも「瞳孔(黒目)」が開くとサングラスと顔の隙間から紫外線だけでなく、ブルーライトも眼に多く入るようになります。
紫外線やブルーライトは「水晶体」の混濁である「白内障」や「網膜」の障害である「加齢黄斑変性」などの原因になります。
裏面反射紫外線カットコート
紫外線は地面や建物から反射し、様々な方向から降り注ぎます。
レンズの正面からの紫外線を防げていても、レンズの裏面から反射し眼に入ります。
現在、各レンズメーカーでは裏面から反射して眼や眼の周りに当たる紫外線をカットできるコートのレンズが販売されています。
紫外線対策におすすめです。
度付きサングラスがおすすめ
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