メガネの日特集 フレームの歴史
- 宮澤 良平
- 2016年9月22日
- 読了時間: 3分
本日は10月1日の「メガネの日」にちなんで、メガネフレームの進化の歴史について紹介します。

メガネフレームの進化の歴史
13世紀頃
13世紀頃はメガネはまだ日本にはなく、イタリアを中心とする西欧で使用されていました。
ほとんどが手持ち式のタイプで、一部の貴族や王族、当時権力をもっていた教会の関係者のみが使用していました。
当時の宗教社会では一般の庶民は
「ものが見えなくなるのに自然の摂理であり、逆らうのは神に逆らうのも同じ」
とされ、メガネは悪魔の道具とまで言われていたそうです。

15世紀頃
15世紀頃になると西欧では少しずつ庶民にもメガネが普及してきたようです。 End Facebook Pixel Code
また、1551年(天保20年)にはキリスト教の布教に訪れた宣教師のフランシスコ・ザビエルが、周防国の守護大名・大内義隆に他の書物や品物と一緒にメガネを献上しました。
この20年ほど前には、あの織田信長に会いに来た宣教師のフランシスコ・ガブラルが近視用のメガネを掛けていた事で、「異国の人は眼が4つある」と噂が広がるくらい、衝撃をうけたそうです。
これが日本とメガネの初めての出会いでした。EndFragment

17世紀頃
17世紀に入ると「スパニッシュイタリアン型」と呼ばれる、紐で耳にかけるタイプのメガネが開発されました。現在の耳に掛けるタイプの原型となったメガネです。それまでは鼻を挟み込む形だったので、当時としては画期的な発想だったと思います。

また、日本でも江戸や大坂等でメガネが普及し始めました。
そして、日本人が日本人の鼻の高さに合わせる為に「鼻当て」を開発し、レンズやフレームも日本で作られるようになったそうです。
長崎ではべっ甲や水牛の角、馬の爪などでメガネの枠を作っていたそうです。

18世紀頃
1727年には、ロンドンの眼鏡商エドワード・スカーレットがテンプル(つる)を使用したメガネを開発し、特許も取得しました。
しかし、バネで頭を抱え込む機構はしばしば頭痛を引きおこしたため普及はしなかったようです。

19世紀頃
18世紀後半程度から様々な形のメガネが開発されました。
鼻をハサミのように挟み込むタイプや、持ち手の付いたタイプ、鼻を鼻当てで挟むタイプなどが開発され、ファッション要素も取り入れる様になりました。
日本では明治時代に本格的に国産メガネレンズがつくられるようになりました。



20世紀頃
多くの人がメガネを使用するようになり、現在の形に安定してきたのは意外にも最近の事です。
プラスチック系の素材や様々な合金が使用されたフレームが作られるようになりました。

21世紀~
近年には「スマートグラス」と言われる、メガネの本来の屈折矯正という役割を取り除き、付加機能を搭載したメガネも販売されています。
カメラが搭載されているもの、まばたきを感知して眠気を知らせるもの、ディスプレイが搭載され映像が見えるもの等様々なメガネが開発されています。
屈折矯正用のフレームの進化としては、チタンやチタン合金を特殊な機構や素材を活かした機構で使用することで、掛け心地の優れたフレームが多々開発されました。
また、プラスチックフレームは、燃えやすいセルロイド製のフレームからアセテート製のものが主流になりました。


近年は世界的に日本製のメガネフレームの品質が高く評価され、各社大手ブランドでは本国でなく、日本でフレームを製造しているところもあります。
特に、金属素材の加工技術が注目されています。
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