宮澤良平
視力検査だけではわからない、メガネが必要な場合
健康診断や免許の更新時の視力の数値を測定する視力検査だけでは、近視や遠視、乱視、眼病などの有無はわかりません。
視力検査で視力が1.0以上あればメガネを使用する必要がないと考えられていることもありますが、様々なケースで視力が良好でもメガネを使用した方が良い場合があります。
視力検査ではわからないメガネが必要な場合
・遠視の場合
遠視の場合は視力が1.0以上ある場合が多くあります。
しかし、常にピントを調節しているため眼が疲れやすく、肩こり、頭痛、めまいなど様々な症状の原因になります。
メガネを掛けることで視力の向上はわずかでも、症状の緩和に繋がります。
また、近視用メガネの度数が眼に対して強すぎる場合は、遠視と同じ症状になります。
・調節力の衰え(老眼)
視力が良好でも、40歳程度から近い距離が見えにくくなってきます。
自覚症状としては、文字が見えにくいだけでなく、眼が疲れやすい事や肩こり、頭痛なども挙げられます。
老眼は早めに対策しないと、メガネに慣れにくい場合があるので早めの対策をおすすめします。
・左右の度数の違い
裸眼視力に左右差がなくても左右の度数に差がある場合は、疲れやすいだけでなく、立体感や遠近感が得にくくなります。
メガネを掛けていて視力が良好でも、バランスが悪い場合もあります。
左右の度数のバランスが適切なメガネが必要です。
・紫外線・青色光
紫外線は水晶体が白く濁り、視力が低下したりする「白内障」の原因になると言われています。
また、日焼け止めで対策していても、紫外線が眼に入ることで肌のしみやしわの原因にもなります。
青色光はパソコンやスマートフォンだけでなく、太陽や様々な照明からもでていて、眼の疲れや、睡眠障害、精神疾患、失明のすることもある「網膜色素変性症」や「黄斑変性」の原因になると言われています。
紫外線はほぼすべてのレンズで軽減でき、青色光はブルーライトカット機能のあるレンズを使用することで軽減できます。
・感染症・ほこり
新型コロナウイルスや花粉は眼からも侵入するので、メガネを掛けることは花粉症や感染の予防にも繋がります。
また、砂ぼこり等が眼に入り、こすることで眼を傷つけてしまったり、花粉やウイルスが眼に入る可能性もあります。
・眩しさ
眩しさは一時的に視力が低下して危険なだけでなく、眼の痛みや頭痛、めまいの原因になる場合もあります。
色の濃いサングラスだけでなく、適度な色の濃さのレンズでも眩しさを緩和させることができます。
また、なんらかの眼病により眩しく感じている場合もあるので、眩しさを顕著に感じる場合は眼科の受診をおすすめします。
・斜視、斜位
眼を動かす筋肉、神経、脳の異常などが原因で、眼位(眼の位置)に異常がある場合は、ものが二つに見えたり、立体感が得にくかったり、疲れやすかったり、片目をつぶりたくなったりします。
視力検査はもちろん、メガネの度数の測定でも測定しない場合もあります。
プリズム付きのメガネを使用することで症状が緩和する場合があります。
メガネが必要かどうかの判断基準
視力の低下以外にも
・夜になると見えにくく感じる
・文字やスマホ等の近い距離が見えにくい
・ものが二重に見える事がある
・左右の眼の見え方が異なる
・頭痛、肩こり、めまい、睡眠障害
等
が挙げられます。
視力は眼にとってわかりやすく大切な数値ですが、それだけではメガネが必要かどうかや眼病の有無などはわからない場合があります。
心当たりがある場合は、眼科の受診やメガネ店で度数の測定をすることをおすすめします。
#視力
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