講習会 第4章近視の原因、進行予防の研究
本日は先日受講した認定眼鏡士の更新のための講習会について紹介します。
2018年度の神奈川支部の講習会概要
◆1時間目(120分) VRの時代に於ける眼鏡技術者の立ち位置
◆2時間目(60分) 近視
※受講した専門的で複雑な内容をできるだけかみ砕いて紹介するので内容が少し異なってくると思います。
また、簡略化が困難な場合は省略する場合もあります。
近視
第1章「近視」とは
第2章強度近視に伴う合併症と病的近視
第3章小児の視力、屈折検査
第4章近視の原因、進行予防の研究
1.原因
2.近視進行の仕組み
3.予防と進行の抑制
第4章近視の原因、進行予防の研究
1.原因
①遺伝
統計的な観点からは遺伝すると考えられています。
②生活環境
・近業作業
スマホ、パソコンなどの登場と同時期に近視人口が増えているので、近くを見る時間が長いと近視になりやすいと考えられています。
しかし、近業作業時間の長さは関係しないと言う研究結果もあるそうです。
・屋外作業
屋外での作業では遠くを見る事が多くなるので、眼の中の筋肉の負過が減り、近視の予防になると考えられています。
また、太陽光を浴びる事でドーパミンの分泌が増える事や、瞳孔が縮むことで近視の抑制になるという報告もあります。
・その他
「日照時間」「遠くを見る時間」「運動」「血清ビタミンD濃度」「睡眠」「食事」なども関係しているという報告もあるそうです。
2.近視進行の仕組み
・成長過程
近視は眼軸の長さに対して、角膜と水晶体の屈折力が強い事で発生します。
眼の成長は眼軸が短い状態から長くなり、角膜と、水晶体は強い状態から弱くなります。
近視は眼軸の成長がそのまま続いたことで、発症すると考えらています。
・近視の過矯正
ひよこを使用した実験では遠視状態でピントがあっていない状態だと、眼軸を伸ばす事でピントをあわせようとして、結果、近視化するという報告があります。
人間で言えば近視の過矯正のメガネを掛けている状態です。
3.予防と進行の抑制
①多焦点レンズ、多焦点コンタクト
近くを見る時の調節をレンズの度数をレンズは下方部、コンタクトは周辺部の度数を変化させることで、補助するレンズです。
コンタクトには中心から周辺部に交互に遠くと近くの度数が入っている製品等もあります。
実験を行った結果、多少の効果は認められたようですが、実用的ではないと考えられます。
②オルソケラトロジー
角膜の形状を就寝時に特殊なコンタクトを付ける事で変化させ、近視の度数を下げる方法。
眼軸の伸長にも効果があると考えられています。
③調節麻痺剤
有効性は認められていますが、副作用として、眩しさや調節の麻痺等があるため普及はしていません。
現在、0.01%に薄めた実験が行われています。