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宮澤良平

度数が弱めのメガネの注意点


本日は度数が弱めの近視用メガネの注意点を紹介します。

ここ5~6年くらいの研究で、度数が弱めのメガネに対する見解が変わってきました。



帽子とハンカチとメガネ

度数が弱いメガネの特徴

近視用のメガネは、度数を弱めると近い距離が見えやすくなる場合があります。

また、初めてメガネを使用する場合等は弱い度数の方が慣れやすい場合もあります。

しかし、適切な度数に比べて遠くは見えにくくなり、視力は低下します。

遠視用のメガネの場合は適切な度数に対して度数を弱めると、眼が疲れやすくなるので基本的には推奨されていません。



視力表



弱い度数は眼が疲れにくい?

度数が強すぎるメガネは眼が疲れやすくなりますが、眼の疲れは度数の強弱だけが原因でなく、様々な原因が考えられます。

度数を今より弱くしても疲れやすいのが解消されない場合もあります。


メガネによる疲れやすさの原因は近視度数の強弱以外に


・フレーム形状、調製

・乱視度数、乱視軸

・左右の度数のバランス

・プリズム補正

・レンズの中心の位置

・レンズの設計


等が適切でないことが挙げられます。



疲れているビジネスウーマン

度数が弱いメガネの注意点

・近視が進行しやすくなる

一昔前は、弱い度数の方が近視が進行しないと考えられてきましたが、近年では、弱い度数のメガネよりも、遠くが良く見えるメガネの方が近視の進行抑えることができるという研究結果が多くでているようです。

理由としては、近視進行の原因である「眼の奥行の長さ(眼軸)」の伸張が、弱い度数のメガネを使い続けることで増加するからとのことです。。


近視眼 イメージ


また、度数の強弱に限らず、遠くの景色がぼやけて見える状態が近視を進行させるそうです。

近視の進行を緩和させるためには、遠くの景色が良く見える適切な度数のメガネの方が良いようです。

しかし、理論的に適切な度数でも、眼が疲れやすかったり、不便を感じる場合は、快適ならば少し弱いくらいがいいと思います。


研究データの収集


・40歳以降は特に視力の低下に注意

40歳以降で調節力が低下した状態(老眼)の場合、手元の文字がはっきり見えるくらいに度数を弱めにしたメガネ(老眼鏡)は、遠くは鮮明に見ることはできないので、歩行時や車、自転車の運転などには適していません。

老眼鏡は手元を見る時に使用するメガネです。


老眼鏡


・認知症のリスクの増加

高齢でメガネを掛けなかったり、弱い度数のメガネを使用して視力が低下した状態で生活を続けると、眼から入る情報量が減少することで脳への刺激も減少し、認知機能の低下の原因になるそうです。

眼から入る情報量は全体の8割程度と言われています。


また、視力が低下した状態は、光が網膜に届きにくくなることでホルモンバランスが乱れ、睡眠障害、意欲の低下を引き起こし、認知症に加え、うつ病や不眠症などのリスクも増加するようです。

遠くも近くも快適に見えることが大切です。


視力と認知機能の関係


早めの対策

遠近両用メガネも老眼鏡も、お歳を重ねてから初めて使用すると、必要な度数が強く、慣れにくい場合があります。

お年を召してから初めて使用する場合は、弱い度数から段階的に適切な度数に変更していく方法もあります。

ご自分では遠くや近くが適切に見えているかどうかわからない場合もあるので眼科や、メガネ店で度数測定が必要です。

遠近両用メガネ 見え方イメージ
遠近両用メガネ 見え方イメージ
まとめ

メガネの度数の強弱は使用するメガネの使用頻度や使用環境、使用履歴、お好み等を考慮して決定する必要があります。

場合によっては複数のメガネを使い分ける必要がある場合もあります。

また、メガネの快適さは度数の強弱だけではなくて、レンズの設計や左右のバランス、フレームの掛け心地、加工精度なども影響します。

現在使用しているメガネが快適に感じない場合や、より快適な視界をお求めの場合は是非ご来店下さい。


藤原メガネ 一級眼鏡作製技能士


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