講習会 高齢者の眼鏡調整③
本日は先日受講した認定眼鏡士の更新のための講習会について紹介します。
※講義の内容をできるだけかみ砕いて紹介するので内容が少し異なってくると思います。
また、簡略化が困難な場合は省略する場合もあります。
2019年度の神奈川支部の講習会概要
◆高齢者の快適な視力のための眼鏡調整
1章 眼鏡調整の業務の流れ
2章 来店・受付
3章 快適な視力のための眼鏡調整よりも優先される問題
4章 視力測定
◆眼鏡技術者のための眼科学「円錐角膜」
◆高齢者の快適な視力のための眼鏡調整
4章 視力測定
屈折補正度数の測定
測定は、お客様に合わせたスピードで、判断がしやすい指標を使用し、分かり易く行う必要があります。
高齢のお客様の場合は瞳孔が小さい事が影響して、視力の変化が分かりにくいので、慎重に行う必要があります。
最良視力かつ最もプラスよりの度数
メガネの度数は最高視力がでる度数が複数ある場合があります。
最高視力のでる度数の中で、近視なら一番少ない度数、遠視なら一番多い度数をだすのが測定の基本です。
球面度数(近視、遠視)のチェック
基本的に見え方をお客様に確認しながら、レンズを交換して度数を測定しますが、聞き方やレンズの交換頻度等をお客様の反応をみて、適宜調整しながら行う必要があります。
また、色収差を利用したレッドグリーンテストやその他の検査方法についても様々な事が原因で精度が落ちる可能性があるので、一つのテストに固執し過ぎない事が大切です。
複数の測定結果をもとに総合的に判断する必要があります。
乱視のチェック
乱視測定は「度数」のほかに乱視の角度である「軸」の測定が必要になります。
乱視は5度単位だとして35パターンあります。
検査方法は細かな見え方の違いを聞く方法になるので、よりいっそう聞き方やスピードを含めた検査方法の精度が求められます。
左右の見え方のチェック
特殊なフィルターで両目を開けた状態で左右別々のものを視えるようにして、左右の視力、屈折状態の差や、プリズムのチェックを行います。
左右同時に別々のものを見る事で、左右の指標の大きさの違いや、ずれ、視力の違いなどが確認できるようになります。
眼鏡度数の仮決定
理論的には正しい度数であっても、見えるものの大きさ、視野、眼の動き等の変化が原因で視力が良好でも、受け入れらえない場合があります。
それは脳に負担が掛かり、新しい事や予測できない事に対して不安に思う事で発生している傾向があります。
場合によっては度数の変化量を抑える必要があります。
お客様の今までの見え方や性格、個性を理解した上で正しいメガネの美容面、健康面の効果を説明し、新しい度数に順応できるようにサポートすることが大切です。
レンズタイプの選択
以上の測定を終えて初めて、お客様の見たい距離に適した度数を決定します。
見たい距離に合わせて、度数とレンズタイプを選択する必要があります。
AIによる自動化や、様々な機器による効率化が行われていなかでも、眼鏡技術者は高齢者に限らず、一人一人に適した方法を試行錯誤しながら行う応用力が必要だと思います。
そのためにも講習で学習した基礎や注意点をしっかりと身に着ける事が必須です。
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