メガネフレーム フィッティング編
- 宮澤 良平
- 2015年11月17日
- 読了時間: 3分
本日はメガネを作る上で大切な「フィッティング」について説明します。
フィッティングとは、メガネフレームをお客様の顔に適切に合わせる作業のことです。
近年では、メガネを大量に効率よく販売する為に、フィッティングをほとんど行わないお店もあるそうですが、メガネフレームは製造された時点では、顔に合わせて造られてはいません。
フィッティングを全く行わないで、快適な掛け心地、見え心地だとしたら、それは運が良いか、快適なメガネを知らないだけです。
フィッティングの具体的な内容
◆鼻パッドの角度、位置、あたりの均一具合の調製
◆顔幅に合った腕の角度、形状の調製
◆つるの先の角度、当たり具合の調製
◆レンズの縦と横の角度の調製
を左右別々に、一人一人の顔に合わせて行います。
人はそれぞれ耳や眼の位置の高さが異なるので、必ずしも調製後のフレームは左右対称にはなりません。
鼻や耳の周辺の筋肉、血管、神経
フィッティングの際には鼻や耳の後ろ、こめかみへの負担をできるだけなくすことが大切です。
各あたりを均一にすることで負担が軽減されます。
鼻や耳の周辺には筋肉や血管が多数存在し、適切な場所で安定させないと、筋肉や血管や神経を圧迫してしまう事になります。
フィッティングの見え心地への影響
フィッティングの目的はメガネをずり落ちにくくするだけでなく、レンズを最適な距離と角度と位置に調製することです。メガネレンズは最適な「距離」と「角度」と「位置」にあって初めてその性能を発揮する事ができます。

レンズの距離
メガネレンズは眼からの距離が最適でなれば、度数自体が変わってきます。
日本で使用されるレンズの殆どは、目から12mmの距離で使う事を想定して造られています。
度数の誤差だけでなく、眼から離れすぎていれば視野が狭くなります。
逆に近すぎれば、まつげや頬が当たり、レンズが汚れやすくなります。

レンズの角度
レンズに縦や横の角度が適切に付いていなければ、下方や側方を見た時に、視線がレンズに対して斜めに通過し、見え心地に影響してきます。


レンズの位置
まず、レンズをフレームに入れる前に、視線をレンズの適したを位置を通過するように調整するのは、メガネを作る上で必須事項です。美観的にはフレームの縦幅を10とした場合、上4、下6の割合が理想とされています。
レンズは中心以外は度数が異なっているので、場合によっては、景色が揺れて見えたり歪んで見えたりします。

まとめ
以上の様に、快適なメガネをお客様に掛けて頂く為には、レンズの度数が適正であると同時に、「フィッティング」がとても重要な作業なのです。
毎日使うメガネはどうしても、少しずつ歪んだり、ずれてきたりしてしまいます。
定期的なメンテナンスも必要になります。