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宮澤 良平

認定眼鏡士の通信販売について

新型コロナウイルスの影響もあり、自宅で商品が購入できる通信販売の利用が増えています。

メガネも様々なサイトで購入できます。

しかし、度の入ったメガネはファッションアイテムであると同時に、医療機器でもあります。


認定眼鏡士を認定・教育している公益社団法人日本眼鏡技術者協会では

『認定眼鏡士が、眼鏡の通信販売・ネット販売を行っていることが判明した場合、本人に警告書を送付して、なお、改善されない場合は資格を取り消す事にする。』と定めています。

それは、メガネを販売する上で大切な事が、通信販売ではできないからです。

認定眼鏡士のメガネの通信販売が禁止されている理由

※法律で禁止されている訳ではありません。


◆測定

メガネを作る上では、様々な測定が必要です。

眼科の処方箋等で度数等がわかっていたとしても、レンズの視線が通る位置である「アイ・ポイント」はフレームとお客様の顔によって位置が変わっていきます。

アイポイントが正確でないと、物の見える位置がずれたり、歪んだり、ぼやけて見えてしまったりします。

アイポイントはフレームを掛けた状態で測定する必要があります。

◆レンズの装用感

メガネレンズは度数が適切だとしても、遠近両用レンズなどの場合、設計の種類やグレードによって、見え方が異なります。

テストレンズで実際の見え心地を体験して頂いてから、レンズの種類を選ぶ必要があります。

◆フィッティング

メガネフレームは、製造された状態ではほとんどが未完成な状態です。

お客様の顔に合わせて初めて完成されます。

◆メンテナンス

掛け外す必要があるメガネは、微妙なずれが少しずつ蓄積されていきます。

そのずれは見え方に影響していきます。

定期的なメンテナンスが必要です。

以上の様にメガネは対面販売によるさまざまな調整が必要な商品です。

また、度なしの伊達メガネや、サングラスの場合でも対面販売によるフィッティングが必要になります。

消費者のみなさまは、WEBや新聞広告で眼鏡を通信販売する業者を数多くご覧になっていることと思います。

 眼鏡販売は、測定・フィッティング・アフターフォローなどお客様と対面することで初めて可能な技術行為を伴う販売です。

ところが通信という販売手段では、対面による技術行為は不可能で、必要な眼鏡調整技術を完遂しておりません。そのような業者がいくら眼鏡販売と表現していても、良識ある眼鏡技術者の行為とは言えません。

なぜなら眼鏡は、完成された状態でお客様のお顔に正しくフィットされて、初めて機能を発揮するものだからです。


 またこのような業者の中には「フィッティング等不具合であれば、お近くの眼鏡店で直してもらってください。

おそらく無料で直してくれます」などと標榜す るところもありますが、自店の商品について、事後のフィッティングや不具合のアフターフォローの責任を一方的に他の販売店に転嫁することは、眼鏡技術者に 課せられた販売者としての責任を放棄する行為で、商倫理として許されるものではありません。


 消費者のみなさまは以上のことにご理解頂き、良識と責任を持った認定眼鏡士のいる眼鏡取扱い店を選んで頂きますよう、お願い致します。


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