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宮澤良平

加齢による変化 近視が治る?

近視は年々進行するイメージがあると思いますが、加齢で近視度数が減るケースもあります。

近視も遠視も度数が増えるだけでなく、減る場合があります。

度数が減るとメガネのレンズが薄くなり、裸眼視力が向上するというメリットもありますが注意点もあります。



見える仕組み

網膜にピントが合っている状態

物体や景色をはっきり「見る」ためには、眼に入ってきた光を「角膜」と「水晶体」で曲げて「網膜」にピントを合わせる必要があります。


網膜にピント合っていない場合は視力が低下した状態になります。

また、この光を曲げる程度の事を「屈折力」と言います。






近視とは

近視は遠くの距離を見た時に角膜から網膜までの距離(眼軸)に対して、角膜と水晶体の屈折力が強いため、網膜の手前にピントが合ってしまっている状態を指します。

その状態だと、遠くを見た時に視力が低下します。


しかし、近い距離を見るためには屈折力が多く必要になり、近視の場合は屈折力が強いので近視度数によっては近くが良く見えます。


近視度数の増加

近視度数は眼軸が伸びたり、角膜と水晶体の屈折力が強くなることで進行します。

若年層の近視の進行は、成長と共に眼軸が伸びることが主な原因です。

また、近年の携帯ゲーム機やスマートフォン等の近い距離を凝視する頻度の増加も近視度数の進行に影響しているようです。



近視度数の減少

加齢によって眼には様々な変化が起こります。

その一つに、加齢による変化で水晶体の屈折力が減少し、近視度数が減る場合があります。


その場合、裸眼視力が若干向上し、遠くが良く見えるようになる場合もあります。

しかし同時に、裸眼で近くの文字などは若干見えにくくなります。


白内障による度数変化

水晶体が白く濁ってしまう白内障は、水晶体の濁り方によって度数が増えたり、減ったりする場合があります。


白内障は初期症状も含め、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上で100%と多くの人が罹る眼病です


白内障が原因で近視度数が減った場合は、裸眼視力が向上するとは限らず、眩しく感じたり、水晶体の濁りが原因で視力が低下するのが特徴です。


治療法は白内障の混濁を吸い出し、人工水晶体を挿入する手術が唯一と言われています。

術後は度数が変化するので術後に度数を測定して新たなメガネを作成する必要があります。


近視度数の減少の注意点

①メガネは変化しません


眼の近視度数が減少しても、現在かけているメガネは変化しないので、結果として、今かけているメガネの度数が眼に対して強くなる場合もあります。


眼に対して強いメガネを掛けていると、視力は良好でも視界が歪んで見えたり、眼が疲れやすくなり、頭痛、肩こり、睡眠障害等の原因になります。


②自覚の難しさ


見え方が少しづつ変化している場合は、変化に気づきにくくなります。

また、健康診断などの視力検査では度数の変化はわかりません。

近視度数の減少は、眼科やメガネ店で度数測定をすることで発見できます。


③急激な変化に注意

メガネを掛けた時の視力も裸眼視力もストレスの減少や疲労の緩和によって良くなることがあります

しかし、近視が減少した場合には眼病の可能性あり、注意が必要です。


見えにくくなっただけでなく、見え方に急激な変化を感じた場合は、眼科の受診をお勧めします。


また、見え方に変化がなく、自覚症状が少ない眼病もあるので、定期的に眼科を受診することをおすすめします。






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