宮澤良平
レンズの厚みに直結 「屈折率」
本日はレンズの厚みに直結する屈折率について紹介します。
多くの場合で、レンズの商品名の前後に記載されている1.50~1.90までの数字が屈折率を表しています。
基本的に一つのレンズ商品で3段階程度の屈折率の中からお選びいただけます。
レンズの厚みは屈折率の他にも、レンズ設計、レンズの大きさとフレーム形状、瞳孔間距離、加工方法等も影響します。
薄さイメージ画像
屈折率とは
屈折率は1.50 1.60 1.67 1.70 1.74 1.76 1.80 1.90といった種類があり、その数値が大きくなればなるほど、レンズを薄くする事ができます。
しかし、弱い度数の場合は屈折率の高いレンズを使用しても、あまり薄くならず、重くなる場合もあるので、度数の強弱に適した屈折率選びが必要です。
※1.80 1.90はガラスレンズのみとなります。
屈折率が大きいレンズのデメリット
・度数やレンズの形によっては屈折率の低いレンズより重くなる。
・耐久性が低くなる
・文字などを見た時に境目が滲んで見える場合がある。
レンズに穴をあけるタイプのフレームの場合は屈折率の高い素材のレンズでは加工できない場合もあります。
屈折率は度数、フレーム形状、重量などを吟味して選択する必要があります。
高屈折率レンズの滲みイメージ
屈折率の調べ方
基本的に遠近両用レンズ等はレンズに隠しマークが入っているので、専門家が見れば、屈折率や設計がわかりますが、単焦点レンズは加工方法によって厚みが異なり、厚みや見た目だけでは屈折率が判らない場合があります。
屈折率は公式を利用することで調べることができます。
当店では、お客様が持ち込まれたレンズの屈折率をお訊ねになった時に使用します。
ちなみにSS級認定眼鏡士の筆記試験ではこの公式の問題が出題されました。
屈折率公式①
(1.523-1)✖屈折力=(屈折率-1)✖(前面カーブ+後面カーブ)
屈折率公式②
屈折率=(1.334×空気中屈折力-1✖水中屈折力)/(空気中屈折力-水中屈折力)
屈折率公式①では球面レンズの屈折率しかわかりませんが、専用のカーブ測定機でレンズの前後のカーブと度数を測るだけで、屈折率が判ります。
屈折率公式②では、基本的にどのレンズも屈折率が判りますが、水中の屈折力を測定するために、プラスチックのケースに入れる必要があります。
乱視がある場合には若干計算方法が異なりますが、概ねこの方法で屈折率が判ります。
※レンズの度数が0.25単位なので若干の誤差が出ます。
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