講習会 円錐角膜①
本日は先日受講した認定眼鏡士の更新のための講習会について紹介します。
※講義の内容をできるだけかみ砕いて紹介するので内容が少し異なってくると思います。
また、簡略化が困難な場合は省略する場合もあります。
2019年度の神奈川支部の講習会概要
◆高齢者の快適な視力のための眼鏡調整
◆眼鏡技術者のための眼科学「円錐角膜」
第1章 円錐角膜とは
第2章 円錐角膜の治療法
第3章 円錐角膜のレンズによる補正
◆眼鏡技術者のための眼科学「円錐角膜」
日常業務においてメガネ店は様々なケースで眼科の受診をお勧めする事があります。
円錐角膜の場合は、若年層において急激に乱視が増加し、適切なメガネを掛けた場合の視力が穏やかな場合や、機器で測定した度数と実際に測定した度数に顕著な差がある場合などに、眼科の受診をおすすめする必要があります。
第1章 円錐角膜とは
円錐角膜
眼の表面にある角膜が、不規則な円錐形にふくれる眼病です。
自覚症状としては、視力低下、片目でものが二重に見える、まぶしい等が挙げられます。
若年層の男性に多く、一般的に両目共に進行し、40歳以降は進行しないと言われています。
角膜の構造
角膜は透明な層で分かれていて、厚さ0.5mm程度で+40.00Dという屈折力を持っています。
ちなみに強めの既製品の老眼鏡で+3.00程度なので、角膜がいかに強い度数を用いていて、重要なのかが分かると思います。
円錐角膜の原因
遺伝や環境によって角膜が弱く(薄く、もろく)なることで発病します。
角膜が弱くなってしまう、環境要因としては、アレルギーや眼病による目のかゆみから、頻繁に強くこすることや、適切ではないコンタクトを使用する事、紫外線などが挙げられます。
また、レーシック手術後に円錐角膜を含む角膜拡張症になるケースもあるそうです。
近年の診断技術の進歩
角膜形状解析 トポグラフィー
これまでの診断技術の一つで角膜の屈折力や起伏の変化を画像化し、カラーで分布を表す事で、角膜の形状をわかりやすくします。
特殊なコンタクトレンズの経過観察等にも使われています。
前眼部断層図画像表示 トモグラフィー
角膜を横から見た断面図を観察できる技術です。
トポグラフィーが角膜の前面を診断するのに対して、後面並びに断面形状や厚みの解析もできます。
角膜がどのようにふくれているかが画像で分かります。
円錐角膜の割合
0.05%程度の発症率と言われてきましたが、近年診察技術の進歩とコンタクトレンズの普及が原因で0.9%程度の発症率との報告もあがっています。
軽度の円錐角膜でカラーコンタクトレンズを使用し、重症化するケースもあるようです。
円錐角膜は眼科を受診する機会の少ない若年層に多い事から、重症化するケースも多くあります。
メガネ店でも充分に注意が必要な眼病です。
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